2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンメチル化酵素複合体による転写抑制機構の分子基盤
Project/Area Number |
20052012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立花 誠 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (80303915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞貝 洋一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (20211972)
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Keywords | ヒストン / メチル化 / 転写 / 抑制 / 複合体 / エピゲノム |
Research Abstract |
私は生体内でのG9a/GLP複合体による転写調節を調べるべく、G9a及びGLPの活性触媒部位にアミノ酸置換を施した変異遺伝子をそれぞれの遺伝子破壊ES細胞に再導入し、G9a/GLPヘテロ二量体の生体内活性のモニタリングを行った。その結果、生体内でG9a/GLP二量体がヒストンメチル化酵素として機能するには、G9aの活性がより重要であることを見出した。さらに、G9a/GLP複合体は標的遺伝子領域のヒストンにH3K9メチル化とDNAにCpGメチル化を入れることで、転写の抑制状態を作り上げていることも見い出した。(Tachibana et. al., embo j. 2008)。 さらにG9a/GLP複合体がどのようにマウスの個体発生を調節しているのかを調べようと考え、ヒストンメチル化活性を欠損したG9aを発現するノックインマウス(G9a-CAマウス)を作成した。このヘテロ接合型のG9a-CAマウス同士の交配からは、ホモ接合型のマウスが生まれなかったことから、G9a-CAホモ接合型マウスは胚性致死であると決論した。さらにより詳細に致死性を調べた結果、G9a-CAホモ接合型胚は胎生期11.5日まで生存可能であった。G9a欠損胚はおよそ胎生期9.5日で致死である。よって、H3K9メチル化活性欠損G9aは、G9a欠損胚の致死性を部分的にレスキューすることが分かった。
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