2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNAの運命決定制御とヘテロクロマチンにおける転写装置の役割
Project/Area Number |
20052013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 洋太 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (20260622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雄輝 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (50345360)
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Keywords | RNA / 転写 / クロマチン / RNAポリメラーゼ / RNAプロセシング / 転写伸長 |
Research Abstract |
代表者の村上は分裂酵母のRNAi依存的ヘテロクロマチン形成において、ヘテロクロマチンから転写されるnon-coding RNA(ncRNA)がクロマチン上に存在することを見いだしていたが、この分子機構の解析をおこなった。その結果、ncRNAが転写と共役してDNA : RNA hybridを形成することを見いだした。またRNase Hの過剰発現、欠失により、DNA : RNA hybridがそれぞれ増加・減少し、どちらの場合もヘテロクロマチンが損なわれた。つまり、適度の量のhybrid形成がヘテロクロマチン形成に重要であることが示された。一方、転写調節に関わるメディエータ複合体のサブユニットPmc6がヘテロクロマチン形成に干与することを示していたが、他のサブユニットについて解析を進めたところ影響を与える物とあたえない物が存在した。これはヘテロクロマチン特異的なメディエーターサブコンプレックスが存在することを示唆している。 研究分担者である山口は、第1に、転写伸長因子DSIFおよびNELFがsnRNA遺伝子の3ユプロセシングに果たす役割を解析するため、その評価系の確立を目指した。まず、ほとんど先例のないsnRNA前駆体の試験管内切断系を試みたが困難を極めた。代替法として、トランスフェクション・レポーター系を確立することができた。第2に、RNA分解関連因子Dom3とリン酸化型DSIFとの相互作用について詳細な解析を進めた。Biacore解析によりそれらの解離平衡定数が10(-8)M程度であり、結合力が極めて強いことが分かった。また数十種類の点変異体を用いた解析から、DSIFとの結合に重要なDom3のアミノ酸残基を特定した。さらに、東大医科研の濡木先生と共同で、Dom3とDSIFリン酸化部位の共結晶構造の解析を進めた。
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[Presentation] DSIF, the Pafl complex, and Tat-SF1 have non-redundant, cooperative roles in RNA polymerase II elongation2008
Author(s)
Yamaguchi, Y., Chen, Y. Tsugeno, Y., and Handa, H.
Organizer
The 8th EMBL Transcription Meeting
Place of Presentation
Heidelberg, Germany
Year and Date
20080823-27
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