2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御における基本転写因子TFIIDサブユニット(TAFs)の分子機能
Project/Area Number |
20052024
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古久保 哲朗 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授 (10271587)
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Keywords | 転写調節機構 / 転写因子 / 基本転写因子 / 転写制御 / 出芽酵母 / TFIID / TAF / TBP |
Research Abstract |
コアプロモーター構造を認識する基本転写因子TFIIDは、TATAボックス結合タンパク質(TBP)と14種類のTBP随伴因子(TAF1-14)から構成される巨大なタンパク質複合体であり、転写調節因子から受け取った信号を転写量の増減へと変換する上で中心的な役割を果たす。TAF1のN末端に存在するTAND(TAF N-terminal domain)は、TBPに強く結合する性質を持ち、転写調節因子の存在下においてTBPをTATAボックスに向けて放出する役割を担うと考えられている。 最近我々は、メディエーター複合体のサブユニットの一つであるMed9が、転写制御においてTANDと重複した機能を有することを見出したが、今回Med9について詳細な欠失変異体解析を行ったところ、本因子は種間保存性の低い制御ドメイン(1-63aa)と種間保存性の高いコアドメイン(64-149aa)の二種類の機能ドメインから構成されていることが明らかとなった。コアドメインはMed7, Med4と結合する性質を有しており、Med9がミドルモジュール内に組み込まれる上で必須の役割を果たしていることが強く示唆された。また興味深いことに、med9欠失株から調製した細胞抽出液と、野生株の抽出液から抗体を用いてメディエーター複合体を除去したものとでは、TFIIDのリクルートメントに質的な違いが見られたことから、現在その原因を特定するべく、さらに解析を進めている。
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