2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20053007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 俊則 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50271101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40283379)
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Keywords | 気孔孔辺細胞 / 青色光 / フォトトロピン / 細胞膜プロトンポンプ / キナーゼ / ホスファターゼ |
Research Abstract |
これまでの研究により、青色光による気孔開口では、青色光を受容した光受容体フォトトロピンが、細胞膜プロトンポンプ(H^+-ATPase)のC末端から2番目のスレオニンのリン酸化とリン酸化部位への14-3-3蛋白質の結合を引き起こすことにより活性化し、気孔開口の駆動力を形成することが明らかとなっているが、このリン酸化を触媒するプロテインキナーゼやホスファターゼは未だ明らかとなっていない。そこで、本研究では、まず、ソラマメ孔辺細胞プロトプラストを用いてin vitroでのH^+-ATPaseリン酸化反応系を確立し、リン酸化反応の生化学的特徴付けを行った。その結果、プロトプラストより単離したミクロソーム膜画分中にATPに依存してH^+-ATPaseのC末端のリン酸化を引き起こすプロテインキナーゼが存在すること、また、同画分中にH^+-ATPaseのリン酸化C末端を脱リン酸化するホスファターゼが存在することが明らかとなった。一方、近年の研究により、孔辺細胞で見出されたC末端のリン酸化と14-3-3蛋白質を介した活性化機構は、植物細胞を通じた共通の活性化機構であることが明らかとなってきている。そこで、材料調整の容易なシロイヌナズナの黄化芽生えから精製した細胞膜を用いて解析を行い、孔辺細胞と同様に細胞膜中にプロテインキナーゼとホスファターゼが存在することが明らかとなった。さらに詳細な解析を進めた結果、プロテインキナーゼは、界面活性剤TritonX-100に高感受性であり、膜構造が活性に必須であること、また、ホスファターゼは、Mg要求性のタイプ2Cプロテインホスファターゼ(PP2C)タイプのホスファターゼであり、H^+-ATPaseと複合体を形成していることが明らかとなった(投稿中)。
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Research Products
(12 results)