2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の高親和性硝酸イオン能動輸送体の構造、機能と制御の研究
Project/Area Number |
20053008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小俣 達男 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50175270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70335016)
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Keywords | 植物 / 遺伝子 / 蛋白質 / 発現制御 |
Research Abstract |
1. NRT2の構造と機能の解析 植物のNRT2の多くに保存されていてヒメツリガネゴケNRT2 ; 3にも存在する3つの推定リン酸化部位のアミノ酸置換株ST1(S414A)、ST2(S507A)、ST3(S516A)を作製した。これらのうち、ST2ではmRNAが発現するにも関わらず、タンパク質のレベルが低く、NRT2 ; 3の破壊株に似た性質を示した。このことからS507がNRT2 ; 3タンパク質の成熟化あるいは安定化に関わることが示唆された。 2. ヒメツリガネゴケのNAR2分子種の機能解析 ヒメツリガネゴケの3つのNAR2遺伝子のうち、NAR2 ; 1とNAR2 ; 2については、単独あるいは二重のノックアウト株を取得できたが、いずれの場合も硝酸イオンの輸送活性に大きな変化はみられなかった。一方、再三の試みにも関わらずNAR2 ; 3のノックアウト株は取得できなかった。この結果は、ヒメツリガネゴケにおいてNAR2 ; 3が必須のNAR2タンパク質であることを示唆するものである。 3. 海産性ラン藻の亜硝酸イオン輸送体FocAの構造と機能の解析 昨年度の研究において、亜硝酸イオン輸送活性を完全に欠失したSynechococcus sp. PCC7942変異株に海産性ラン藻Synechococcus sp. PCC7002のFocAタンパク質を発現させることにより、FocAが亜硝酸イオン特異的能動輸送体であることを証明した。ところが、別種の海産性ラン藻のFocAは同条件下で亜硝酸イオン輸送活性を示さなかった。2種類の海産性ラン藻のFocAがよく似ていることから、両者の詳細な配列比較を行った結果、FocAの活性の制御に関与すると思われる領域を絞り込むことができた。
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