2009 Fiscal Year Annual Research Report
光シグナリングの時空間特性を規定する2種類のG蛋白質と脂質修飾
Project/Area Number |
20054005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (80165258)
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Keywords | G蛋白質 / 光受容体 / 視覚 / 概日時計 / 脂質修飾 / 松果体 / 桿体 / 網膜 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 Gtγ-C71stopノックインマウスの視細胞の解析:網膜桿体視細胞のG蛋白質トランスデューシンγサブユニット(Gtγ)の脂質修飾の役割を調べるため、ファルネシル化Cys残基を特異的に欠失した「非修飾型Gtγ」を発現する組換えマウス(C71stopマウス)の解析を、前年度に引き続き行った。桿体に存在するフォスデューシンのCa^<++>依存的なリン酸化状態、ならびに、桿体の光応答記録におけるCa^<++>依存性の成分を調べた結果、C71stop桿体は細胞内Ca^<++>濃度が暗中でも低く、明順応に近い状態であることがわかった。そこで、吸引電極法を用いてC71stop桿体の暗電流を経時測定したところ、野生型桿体に比べ、暗ノイズ量が有意に増大していた。このことから、C71stop桿体は暗中でも構成的に活性化していることが示唆された。Gtγのファルネシル化は光シグナル増幅のみならず、暗ノイズの低減においても重要な役割を果たすと考えられる。 概日光受容タンパク質であるメラノプシンとGタンパク質との相互作用解析:ニワトリ松果体細胞における概日時計の光位相シフト経路にはGq/11型のG蛋白質が関与する。ニワトリ松果体に発現するメラノプシンのG蛋白質活性化能を調べるため、組換えタンパク質を用いた再構成実験を行った。その結果、メラノプシンがGqを光依存的に活性化したのに対し、松果体のもう一つの光受容タンパク質ピノプシンはGqをほとんど活性化しなかった。メラノプシンはニワトリ松果体において概日時計の光位相シフトを担うことが示唆された。
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Research Products
(31 results)