2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20054016
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石川 義弘 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (40305470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 元彦 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40292122)
奥村 敏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60233475)
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Keywords | Gたんぱく質 / GTP / cAMP / アデニル酸シクラーゼ / Epac |
Research Abstract |
Epacは近年になって発見されたcAMPシグナルの構成因子であり、G蛋白質の活性調節に重要な役割を果たすと推測されている。我々のグループは心血管系におけるEpacの役割を中心に検討することを計画した。血管平滑筋の遊走は、動脈管閉塞などの生理的、あるいは動脈硬化病変における病的な血管内空閉塞などに重要な役割を果たすことが知られているが、血管平滑筋の遊走制御にEpac発現の亢進が見られ、さらにEpac過大発現によって血管平滑筋の遊走が亢進することが確認された。その一方でPKAの過大発現ではこのような現象は見られず、cAMPシグナルにおけるEpacの果たす役割の重要性が確認された。さらに我々はEpacを過大発現させたモデル、欠損させたモデルを作製したところ、欠損モデルにおいて定常状態における軽度心機能低下が見られた。また過大発現モデルにおいては、Epac1過大発現で心機能に変化は見られないが、LPS刺激による敗血症発症に際して、野生型で見られる心機能低下がおこらなかった。このことはEpac発現は心機能保護に働く可能性が示唆された。欠損モデルでは心機能が低下していたことから、Epac自体が心筋に対して保護的に作用する可能性が考えられた。この分子メカニズムについては、TLRシグナルとEpacとのクロストークの存在が考えられた。これらの結果から、Epacは心筋保護作用を通じて、また細胞遊走を制御することによって、心血管系における重要な役割を果たすことが推測された。
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Research Products
(12 results)