2008 Fiscal Year Annual Research Report
紡錘体チェックポイントによる染色体分配制御ネットワークの解明
Project/Area Number |
20055002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 耕三 Tohoku University, 加齢医学研究所, 准教授 (00304452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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Keywords | 紡錘体チェックポイント / 染色体分配 / 細砲分裂 |
Research Abstract |
細胞分裂期における染色体の均等な分配は、遺伝情報の維持に必須である。そのため細胞には、染色体の安定な分配を制御するネットワークが存在し、その代表的な機構が紡錘体チェックポイントである。染色体の均等な分配には、複製された一対の染色体上のキネトコアが、互いに逆側のスピンドル極からの微小管と結合すること(双方向性結合)が必要である。紡錘体チェックポイントは、すべての染色体で双方向性結合が成立するまで分裂後期への移行を抑える機構であり、この機構は酵母から動物細胞に至るまでよく保存されている。しかし、紡錘体チェックポイントに関連する分子が酵母の生存には必須でないのに対し、これらの分子を欠損する動物細胞は生存できず、動物細胞ではより複雑な制御機構が存在すると考えられる。このような動物細胞特異的な機能の一因として、酵母には存在しない分子の関与が考えられる。本研究では、ヒト細胞において紡錘体チェックポイントに関連する新規分子を同定し、それらの分子のネットワークによる染色体分配制御機構を解明することを目的とする。このような分子は、動物細胞でのより繊細な染色体分配制御機構に関連していることが予想され、その異常は染色体不安定性を引きおこし、がん化と関連している可能性がある。 平成20年度には、紡錘体チェックポイント分子であるMad2およびBub3に関して、各々と複合体を形成する分子を同定した。まずFLAGタグのついたMad2あるいはBub3を発現するヒト293細胞を樹立した。次にこれらの細胞の抽出液について、FLAGに対する抗体による免疫沈降を行い、Mad2あるいはBub3と結合している分子をマススペクトロメトリーにて同定した。その結果、紡錘体チェックポイントに関与する既知の分子に加えて新規分子が同定され、現在その機能解析を行っている。
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Research Products
(4 results)