2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20055007
|
Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
舛本 寛 Kazusa DNA Research Institute, ヒトゲノム研究部, 室長 (70229384)
|
Keywords | キネトコア / ヒト人工染色体 / セントロメア |
Research Abstract |
ヒト染色体セントロメアに由来する反復DNA配列(アルフォイドDNA)を培養細胞へ導入することにより、本来の染色体と同等の複製・分配機能(セントロメア機能)を備えた人工染色体が形成される。本研究では、哺乳類セントロメア機能構造の集合メカニズム解明を目的として、ヒト及びマウス人工染色体システムを用いて以下の解析を進めた。(1)セントロメア構造形成の分子機構の解析 : アルフォイドDNA配列に依存したセントロメアの新規形成機構はヒトHT1080細胞およびマウス胎児線維芽細胞で保存されていることを明らかにして来たが(Okada et al, Cell 2007)、HeLa細胞では人工染色体形成が起こらなかった。そこでHela細胞へアルフォイドDNAを導入しその直後にChIP assayを行い解析した結果、DNA導入直後はセントロメア機能マーカーであるCENP-Aクロマチンの集合がHeLa細胞でも同様に起るが、その後の2週間の間に強いヘテロクロマチン化が起こり、セントロメア形成が抑制されることを発見した。基本的なセントロメアの新規形成機構はヒト・マウスで保存されているが細胞株によるヘテロクロマチン形成能の強さの差が未成熟セントロメアクロマチンを維持できるかどうかの差となって現れることが分かった。(2)セントロメア再構成系へ繋がる細胞モデル系の開発 : ChIP assayではDNA導入1-3日の間でヒト・マウスの細胞内ではCENP-Aクロマチンの集合がすでに検出可能である。そこで細胞膜をマイルドに破壊し、人工染色体前駆体DNA(アルフォイドDNA)を混ぜて、セントロメア形成過程を再現する細胞モデル系の開発を進めている。
|
Research Products
(8 results)