2008 Fiscal Year Annual Research Report
宿主と連携したEBウイルスDNA複製開始機構の解明と人工複製開始点構築への応用
Project/Area Number |
20055010
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
和賀 祥 Japan Women's University, 理学部, 准教授 (60222402)
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Keywords | EBウイルス / EBNA1 / DNA複製 / ORC |
Research Abstract |
EBウイルス複製開始点oriPに結合して複製開始で機能するEBNA1のドメイン解析の結果、100アミノ酸残基の領域がORCのDNA結合の安定化に重要であることを見出した。そして、この領域がORCとin vitroで結合することをGSTプルダウン法で確認した。さらに、大腸菌で発現し調製したGST融合EBNA1ペプチドに混在したRNAがそのEBNA1由来ペプチドとORCとの結合を増強することを見出した。この結果は、EBNA1とともにORCがRNAに結合する活性をもつことを示唆する。そこで次に、EBNA1およびORCのDNA結合に対するRNAの影響について詳しく調べた。過去にEBNA1が結合親和性を示すと報告されたポリGおよびポリUについて調べた結果、両方のRNAポリマーともORCのDNA結合を阻害することが分かった。しかし、EBNA1をさらに加えることによってその阻害は解除された。一方、EBNA1によるORCのDNA結合の増加にRNAが関与する可能性について検討するために、RNaseを加えて同様の解析を行った結果、RNase添加に伴う変化は認められなかった。以上の結果から、ORCとEBNA1との相互作用には、タンパク質問での直接的な相互作用とともに、RNAが介在して増強される仕組みもあることが分かった。RNAが介在するという結果は最近報告された他のグループの結果と一致するが、私らの結果はRNAに結合したORCがDNAに結合できないことを示唆する。ORC-RNA-EBNA1複合体からpre-RC形成に移るためにはORCが直接結合しなければばらないと予想されることから、ORCのRNA結合を制御する何らかの仕組みが存在すると考えられる。
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Research Products
(2 results)