2008 Fiscal Year Annual Research Report
損傷トレランスとチェックポイントの連携による、染色体の安定化機構
Project/Area Number |
20055015
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 智 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 講師 (00227109)
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Keywords | Rad18 / 53BP1 / ユビキチン / NHEI |
Research Abstract |
RAD18によるDNA2重鎖切断損傷の修復促進機構 X線照射などにより、DNA2重鎖が切断される。DNA2重鎖切断損傷は、XRCC4/Ligase IVなどによる非相同末端再結合(NHEJ)またはRAD51などによる組換え機構により修復される。前者は細胞周期がG1期で、後者はG2/M期で機能する。我々は、RAD18がDNA2重鎖切断部位にも集積することを明らかにした。DNA2重鎖切断部位にはリン酸化ヒストンH2AX、Nbs1、Brca1、53BP1などのタンパクが集積することが知られており、RAD18と共に局在することがわかった。RAD18がG1期でDNA2重鎖切断部位に集積するには、53BP1が必要であることがわかった。精製したRAD18はIn vitroで53BP1タンパクの1268番目のリジン残基をモノユビキチン化する活性を示した。このアミノ酸を変異させた53BP1は、DNA2重鎖切断部位への集積能力が著しく低下しており、またFRAP解析の結果、DNA2重鎖切断部位での安定性が大きく低下していた。53BP1をモノユビキチン化できない変異RAD18を発現する細胞は、G1期でのX線に対する感受性がみられた。このため、DNA2重鎖切断部位のヒストンH2AXに付加されたポリユビキチン鎖に結合したRAD18は、53BP1をモノユビキチン化することにより53BP1のDNA2重鎖切断部位での安定性を増加することにより、53BP1による非相同末端結合(NHEJ)機構によりDNA2重鎖切断損傷を修復するモデルを提唱した。
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