2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム損傷応答修復機構におけるクロマチン制御因子の役割
Project/Area Number |
20055016
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高見 恭成 University of Miyazaki, 医学部, 准教授 (80236356)
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Keywords | クロマチン / ヒストン |
Research Abstract |
ヒストンの生合成はDNA複製と連動して厳密に調節されており、新規合成ヒストンの複製フォーク上への供給抑制や過剰なヒストンの蓄積は細胞に重篤な影響を及ぼす。すべての真核生物において、新規合成ヒストンH4のN末端5番と12番目のLysは高度にアセチル化されていることから、本アセチル化の新規ヌクレオソーム形成やヒストン代謝に及ぼす影響が示唆されているがその詳細は明らかでない。以前、我々histone acetyltransferase-1(Hatl)が新規ヒストンH4アセチル化の責任酵素であることをHAT1欠損ニワトリDT40細胞を作製して明らかにした。本欠損変異株は生育速度に若干の減少が認められるが、DNA複製能及び複製鎖上のヌクレオソーム形成反応には顕著な影響はない。一方でCPT, MMSなどの複製阻害剤に対する感受性が増加することから、Hatlを介するヒストン代謝機構の複製停止における損傷修復・応答への関与を示唆している。今年度、我々はタグ付きHatl発現細胞の細胞質画分からHatlと共免疫沈降する因子を調べところ、HatlのsubunitであるRbAp48以外に、ヒストンH3/H4、さらにH3/H4シャペロンとして知られるAsflが共沈することがわかった。DT40とHATI欠損細胞の細胞質画分をショ糖密度勾配遠心法で分画して、各因子の分布を調べたところ、HATI欠損細胞ではH3-H4を含む画分(〜140kD)が低分子側にシフトし(〜70kD)、同様の変化がAsflにも認められた。タグ付きのAsf1複合体をDT40とHAT1欠損細胞から部分精製し、ショ糖密度勾配遠心分画したところ同様の結果が得られた。以上の結果は、Hat1もしくはH4のLys-5, 12のアセチル化が安定したH3-H4複合体形成に寄与し、H3-H4複合体の一部はHatlとAsflが担っていることを示唆している。
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