2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20055017
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
足立 典隆 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 准教授 (30264675)
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Keywords | トポイソメラーゼ / 遺伝子ノックアウト / ジーンターゲティング / Nalm-6 |
Research Abstract |
染色体DNA鎖切断修復には多種多様な経路が存在しており, さまざまなタイプのDNA鎖切断に対する各経路の役割分担やその制御機構については明らかにされていない. 本研究では, 我々が最近開発したヒトNalm-6細胞を使った逆遺伝学的解析システムを利用して, 染色体DNA鎖切断修復に関わる遺伝子のノックアウト細胞を系統的に作製し, 得られた変異細胞の表現型を解析することにより, DNA鎖切断の生成機構やこれに対する応答・修復機構をヒト細胞で解析することを目的として研究を行った. 本年度は, DNA鎖切断修復に関わる遺伝子を系統的にノックアウトし, 計画していた遺伝子のほとんどについてホモ変異細胞を作製することができた. また, 得られた変異細胞の解析から, 相同組換え経路と非相同末端連結経路との相対的役割に関するいくつかの新たな知見を得た. 特に, カンプトテシンやエトポシドなどのトポイソメラーゼ阻害剤が誘発する一本鎖切断や二本鎖切断に対しての各経路の役割を明らかにすることができた. さらに, こうした系を利用して, 新規抗がん剤である化合物NK314や鉄キレート剤Dp44mTの細胞内ターゲットがトポイソメラーゼIIαであることを証明することができたため, こうした損傷の修復機構についても解析も行った. 一方, 非相同末端連結に関わるエンドヌクレアーゼArtemisがDNA ligase IVに依存した修復経路での役割とは別の機能を担っていることが示唆されたため, 二重変異株の作製やノックダウン実験による詳細な解析を進めた.
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