2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤応答性における薬物トランスポートソームの動的制御機構の解明
Project/Area Number |
20056005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 洋之 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (00302612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久允 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (10451858)
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Keywords | 薬学 / 薬剤反応性 / 蛋白 / トランスポーター / 複合体 |
Research Abstract |
腎薬物輸送におけるH^+/有機カチオン交換輸送系MATEの寄与率を、Mate選択的な阻害剤であるpyrimethamineを用いて評価した。マウスならびにヒト腎刷子縁膜ベシクルにおいて、H+勾配存在下でのmetforminの取り込みをpyrimethamineはほぼ完全に阻害した。またマウスin vivoでは、pyrimethamine投与により、血液中濃度には影響を与えないもののTEAやmetforminの肝・腎臓中濃度の増加が観察され、MATEがこれらのカチオン性薬物の組織内から胆汁、尿中への排泄に重要な役割を果たしていることを明らかとした。しかし、他の腎排泄型のカチオン性化合物に対しては、pyrimethamineの効果は観察されず、腎刷子縁膜にはMATE蛋白以外の排泄メカニズムが働いていることも示唆された。SNX27のMRP4に対する作用に関して、免疫染色法、ビオチニレーション法により評価した。HEK293細胞、COS1細胞において、SNX27の細胞膜分画、およびearly endosomeでの局在が認められた。SXN27ノックダウンHEK293細胞では、MRP4の細胞膜からの内在化抑制が観察され、SNX27がMRP4の細胞膜からの内在化を促進し、細胞膜発現量を負に制御していることを明らかとした。[^<125>I]EGF,[^<125>I]Tfの取り込みは、Hela細胞において、SNX27ノックダウンの影響を受けないことから、SNX27は比較的高い特異性を持って、標的タンパク質に対して作用することが示唆された。
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Research Products
(7 results)