2009 Fiscal Year Annual Research Report
食物質による腸管上皮トランスポートソーム制御の機能的解析
Project/Area Number |
20056006
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 誠 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30114507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薩 秀夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80323484)
|
Keywords | 腸管上皮細胞 / 食物質 / α-リポ酸 / トランスポーター / MRP2 |
Research Abstract |
(1) α-リポ酸による腸管の解毒排出トランスポーター活性の制御 腸管上皮モデルLS180細胞において、α-リポ酸がMRP2及びBCRPのような異物排出トランスポーターのmRNA発現量およびタンパク質レベルでの発現量を上昇させ、さらに薬剤の排出活性をも上昇させることを明らかにしてきたが、この発現調節にP13K経路や、ERK、JNK、p38などのMAPK経路は関わらないことが示された。また昨年度の研究でその寄与が示唆された転写因子NrfはMRP2発現制御には関わらないらしいことが新たに示された。さらに、MRP-2の発現調節に関わる遺伝子上流のエレメントを探索した結果、それが2ヶ所の領域にあることが示唆された。 (2) α-リポ酸の腸管上皮細胞層透過に関与するトランスポーターの同定と特性解析 α-リポ酸および中鎖脂肪酸の輸送にかかわると推定されるプロトン依存性トランスポーター(Tr-X)の発現クローニングを試みるために、アフリカツメガエルoocyteでの発現実験を進めたが、充分な活性が得られず、本研究期間中でのクローニングには成功しなかった。 (3) Tr-Xの活性を調節する食品因子の解析 腸管上皮Caco-2細胞のオクタン酸輸送活性をクロロゲン酸(CLA)が有意に上昇させる現象について検討し、CLA処理は輸送速度は変化させないが、Km値を低下させる(基質の親和性を上昇させる)ことが示された。CLAによる活性上昇は、細胞をCLAで前処理することによっても見られたことから、CLAの細胞膜面あるいはTr-Xそのものへの結合がオクタン酸輸送システムを変化させるものと考えられた。
|
Research Products
(8 results)