2008 Fiscal Year Annual Research Report
タグー小分子プローブペアによるタンパク質複合体形成の可視化
Project/Area Number |
20056014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (10343328)
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Keywords | バイオイメージング / タンパク質 / タンパク質間相互作用 / 分子認識 / 有機化学 / 蛍光プローブ / ペプチドタグ / 膜受容体 |
Research Abstract |
本年度は、リアクティブタグシステムの細胞バイオイメージングへの応用について検討した。HEK293細胞表層に発現したタグ付きブラジキン受容体の共有結合ラベル化について、様々な検討を行った結果、発現細胞を還元剤(TCEP)処理した後に蛍光プローブを加えると、細胞表層にプローブ由来の蛍光が強く残る現象が観察された。いくつかのコントロール実験から、本リアクティブタグシステムにより細胞表層ブラジキン受容体のタグ配列部位での特異的ラベル化に成功したことが明らかとなった。また、受容体タンパク質に対してラベル化が起こっていることを確認するためウェスタンブロッティングによる解析を行った。すなわち、ビオチン型のラベル化プローブにより受容体タンパク質をラベル化後、アビジンを用いた化学発光法によりタンパク質がビオチンで共有結合ラベル化出来ていることが確認できた。また、ラベル化対象の膜受容体タンパク質として、今回新しくアセチルコリン受容体およびEGFPを付加したブラジキニン受容体を標的としてラベル化を試みた。その結果、同様に細胞表層にてこれらの受容体の蛍光ラベル化が可能であることが明らかとなり、本手法の一般性が確認された。また、Hisタグに対するリアクティブタグシステムの開発に着手した。本年度ではHisタグに対して特異的な反応性を有するプローブとして、タグ認識部位としてNi(II)-NTA、反応部位としてベンゼンスルホン酸エステルを有する化合物を新たに設計した。His6およびHis10モデルペプチドあるいはHis10タグを導入したEGFPタンパク質に対するラベル化実験から、His10タグに対してNi(II)-NTAとヒスチジン残基間の共有結合反応が比較的容易に進行することが判明した。また、1)タンパク質混合系の中でHisタグ導入タンパク質のみを選択的にラベル化可能であること、2)D4タグに対するリアクティブタグシステムと同時使用することによりHisタグおよびD4タグ導入タンパク質がそれぞれ直行性を持ってラベル化可能であることについて検討し、それぞれ良好な結果を得た。
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