2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着関連因子による上皮細胞間バリアーの形成とバリアー内イオンチャンネル形成機構
Project/Area Number |
20056019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月田 早智子 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (00188517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 淳 大阪大学, 生命機能研究科, 特任助教 (00362525)
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Keywords | ホメオスターシス / タイトジャンクション / クローブィン15 / ノックアウトマウス / 細胞間バリア |
Research Abstract |
本申請では、多細胞生物のホメオスタシスに重要な、上皮細胞間物選択的透過性の分子機構の基盤解明を目指した。平成22年度は、具体的には、以下の2つのプロジェクトを計画し解析を行った。 (1) 特定のクローディンのノックアウトマウスの解析による細胞間バリアーの形成機構の解明とバリアー内に形成されるpara-cellularの物質透過性の特性の検討;前年度に立ち上げたクローディン15マウスの腸管での電気生理学的な解析に加え、腸管に発現の多いクローディン2についても電気生理学的解析およびFITC標識デキストランなどを用いた透過性解析を行った。個体の1生において、腸管において時期および部位特異的に発現するクローディンの解析、特に、クローディン2、15の解析により、クローディンの部位および時期の異なる発現パターンが重要であることを具体的に示すことができた。電子顕微鏡解析からはこれらのクローディンは、イオンの選択性としては類似しているものの、タイトジャンクションストランドの構造に与える影響が異なることも示唆された。現在、腸管に発現の見られる他のクローディンの幾つかについても同様の解析を進めている。 (2) TJの新規細胞膜構成蛋白質の検索データベース上、クローディンに近い蛋白質で、その極性や特性などが解析されていないものについての遺伝子クローニング;データベース解析により、5つの新規クローディン候補が同定された。このうち、培養細胞での外来性発現により、2つ遺伝子が細胞間に局在し、さらにそのうち1遺伝子についてはタイトジャンクションへの局在が見出された。ウサギ抗体を作製し、個体レベルでの発現などの検討も行った。電気生理学的な解析によると、比較的大きなイオン選択性を持ち、生体におけるホメオスタシスにも重要である可能性が示唆されている。ノックアウトマウスの作製および解析も視野に入れた解析を行っている。
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Research Products
(9 results)