2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストア作動性カルシウムチャネル複合体の形成機構とその生理的役割
Project/Area Number |
20056033
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
馬場 義裕 The Institute of Physical and Chemical Research, 分化制御研究グループ, 客員研究員 (20415269)
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Keywords | STIM1 / Orail / ストア作動性カルシウム流入 |
Research Abstract |
免疫細胞におけるカルシウムシグナルは、免疫反応における重要なイベントとして知られており、持続的なカルシウムシグナルは細胞内カルシウムストアである小胞体からのカルシウム放出が引き金となって引き起こされる細胞外からのカルシウム流入、つまり、ストア作動性カルシウム流入(SOC)が主要なソースとなるが、そのチャネル複合体の形成機構とその生理的役割は不明である。 当該年度は、STIMlの標的となるカルシウムチャネルの同定を試み、Oraiファミリー分子の重要性を明らかにした。 OrailおよびOrai 2欠損DT40B細胞を樹立・解析し、OrailおよびOrai2がSOC流入に必須であることを見出した。 STIMlとの共局在化やfunctional associationの存在を明らかにした。また、刺激後に見られるSTIMlのクラスターが、Orailの凝集場所と同一であり、カルシウム流入サイトとオーバーラップすることも、分子およびカルシウムイメージングにより明らかにした。さらに、ストア作動性カルシウムチャネル複合体の一員と考えられるSTIM2の機能解析を行い、in vitro, invivoにおけるSTIM2の重要性を明らかにしつつある。 最近、OrailおよびSTIMlに変異をもった先天性重症複合免疫不全症の患者がみつかり、臨床的にもかレシウム流入システムの重要性が示されている。よって、本研究成果が免疫不全症、自己免疫疾患、アレルギーといった免疫病の理解、さらには免疫系をコントロールするための新規薬剤の創製にもつながるものと期待して研究を進めている。
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Research Products
(1 results)