2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20057013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本田 賢也 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (60334231)
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Keywords | Th17細胞 / 粘膜免疫 / 制御性T細胞 / 腸内細菌 / サイトカイン |
Research Abstract |
腸管局所において厳密に調整されている複雑なネットワークの制御メカニズムの根幹は、腸内細菌叢や周囲細胞という細胞外環境と樹状細胞との相互作用にある。そこでは個々の特徴ある腸内細菌によって刺激された樹状細胞が、活性型あるいは抑制型樹状細胞となり、互いに協調し合って、T細胞の活性化或いは抑制(即ち、Th17細胞、制御性T細胞(Treg)分化)を行っていると言うモデルが考えられる。本年度、腸内細菌による腸管樹状細胞刺激メカニズム追求し、まずTh17細胞数が消化管粘膜固有層に特異的に且つ恒常的に存在すること、そしてそれは、生後腸内細菌叢の形成に伴い増加することを見出した。更に無菌マウスあるいは抗生物質を投与したマウスにおいては、Th17細胞数がSPFマウスと比べて著減していることを見出した。即ち、腸内細菌の存在が、消化管粘膜におけるTh17細胞分化に必須の役割をすると言うことを確認した。更に腸内細菌由来のどういった分子がTh17細胞分化に関わるのかを鋭意検討し、その一つがATPであることを突き止めた。即ち、腸内細菌の中にはATPを多く分泌するものがあり、そのATPを認識した樹状細胞はIL6,IL23,活性型TGFbを分泌し、Th17細胞分化を誘導するような活性型樹状細胞となるというデータを得た。これらを論文として報告した(Nature 455,808-812,2008)。一方、消化管粘膜におけるTreg細胞分化にも焦点を当て、研究を進め、本年度、特にIL10を産生するTregは、消化管粘膜で特異的にその分化が誘導されること、更にそれが、腸内細菌の存在に依存していることを突き止めた。
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Research Products
(4 results)