2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20057021
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 聡 Kumamoto University, 発生医学研究所, 助教 (10321944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 泰華 熊本大学, 発生医学研究所, 研究員 (90448522)
|
Keywords | 生殖細胞 / 細胞外環境 / Ifitm1遺伝子 / Dullard遺伝子 / 全胚培養系 / WNTシグナル / マウス / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
マウス生殖系列細胞の成立は、一般的にbone morphogenic protein (BMP)シグナルに依存した分子カスケードによりPrdm 1/Blimp 1が始原生殖細胞(primordial germ cells, PGC)の前駆細胞で活性化され、その細胞集団が細胞塊を形成しながら胚の後端部、生殖細胞へと運命決定を誘導する細胞環境が存在する領域に移動することに始まると考えられている。しかし、我々のグループがXenopusより単離、そのノックアウトマウスを作成したDullard遺伝子の欠損(Dullard^<-/->)マウス胚では、BMPシグナル非依存的に生殖細胞形成異常が生じていた(未発表)。Dullard^<-/->マウス胚では、Prdm 1陽性の生殖前駆細胞集団による細胞塊が形成されず、その結果、PGCが欠損する。さらにこのDullard^<-/->マウス胚ではcanonical Wntシグナルの活性が低下していること、及び同様にcanonical Wntシグナル活性が低下しているWnt3^<-/->胚を用いてPGCの形成について解析を行なった結果、Pdrm 1陽性のPGC前駆細胞集団は形成されていなかったことから、生殖細胞へと運命決定を誘導する細胞環境要因として、canonical Wntシグナルの重要性が示唆された。また、canonical Wntシグナルの下流候補遺伝子であり、生殖前駆細胞に発現する遺伝子として申請者らが同定したIfitm1の発現が低下していたことから、生殖細胞形成いおけるcanonical Wntシグナルの作用機序の1つとして、膜タンパク質であるIfitm1を介した細胞機構の存在が推測された。
|
Research Products
(4 results)