2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20057027
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 秀人 Aichi Medical University, 分子医科学研究所, 教授 (90240514)
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Keywords | プロテオグリカン / バーシカン / 細胞外マトリックス / 糖鎖 / コンドロイチン硫酸 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
バーシカンは細胞外マトリックスに存在する巨大なコンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate、CS)プロテオグリカンで、細胞外マトリックスのダイナミズムを司ると考えられている。本研究の目的は、バーシカンのコンディショナルノックアウトマウスとG1-G3ドメインから成るバーシカンV3バリアントのトランスジェニックマウス(V3-Tg)、さらにCS合成酵素遺伝子の強制発現系を駆使して、バーシカンが持つCS鎖の生体内機能を解明することである。平成20年度には、(1)バーシカンコアタンパク質G1ドメイン内のAサブドメインを欠失させた同分子のノックアウトマウスから得られた胎児線維芽細胞が、細胞外ヒアルロン酸とCD44との結合を通じて行われるシグナル伝達の変化によって早老症の表現型を呈することを明らかにした。当該成果は二報の論文として報告した。(2)Prx1-Cre/Cspg2flox/floxマウスは正常に出生するが下肢足指の変形が観察された。組織学的には軟骨分化の遅延と関節表面の傾斜が認められた。これら表現型発症の機構については現在解析中である。(3)生後1-2週齢のCAG-CreER/Cspg2flox/floxマウスにタモキシフェンを腹腔内投与して成長期にバーシカン発現が欠失するマウスの作製を試みたが、生後1ヶ月齢のマウスにおいてはバーシカン遺伝子のゲノムに変化は見られなかった。現在、効率よくバーシカンを欠失させる方法を模索中である。
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