2008 Fiscal Year Annual Research Report
弾性線維の形成と老化におけるDANCE/fibulinー5の役割
Project/Area Number |
20057028
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中邨 智之 Kansai Medical University, 医学部, 教授 (20362527)
|
Keywords | 細胞外マトリックス / 弾性線維 / 老化 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
弾性線維は、伸び縮みする臓器・組織(動脈・肺・皮膚など)に多くあって、その弾性を担っている。老化による動脈中膜の硬化、肺気腫、皮膚のたるみなどは弾性線維の劣化・断裂によるものであり、弾性線維再生に向けて弾性線維形成機構の解明は重要な課題である。我々は弾性線維形成に必須のインテグリンリガンド、DANCE(fibulin-5ともいう)を発見した。さらに、線維芽細胞の無血清培養系にDANCEタンパクを加えるだけで弾性線維の形成が誘導されること、DANCEのアミノ末端がin vitro, in vivoにおいてプロテアーゼによる切断を受けて不活性型になることを見出した。本研究では、DANCEの切断が生体内でどんな意味を持っているのかを明らかにすることを目的とする。アミノ末端ドメインが最初から切断されているアミノ末端ドメイン欠損型DANCE、切断部位に変異を入れて切れにくくした切断部位変異型DANCEのノックインマウスを作成し、それぞれのノックインマウスの表現型を野生型およびDANCE遺伝子欠損マウスと比較した。電子顕微鏡による動脈弾性板形成の程度の評価、大動脈コンプライアンスの生理学的な評価を行ったところ、切断部位変異型DANCEノックインマウスは野生型マウスと変わるところがなく、弾性線維は正常で血管弾性も正常であった。アミノ末端ドメインが最初から切断されているアミノ末端ドメイン欠損型DANCEノックインマウスの表現型を現在検討している。
|
Research Products
(3 results)