2008 Fiscal Year Annual Research Report
二次リンパ器官ストローマ細胞による免疫支持場の構築メカニズム
Project/Area Number |
20057029
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
片貝 智哉 Kansai Medical University, 医学部, 講師 (00324682)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 発生・分化 / 免疫学 |
Research Abstract |
免疫応答誘導の場として機能する二次リンパ器官では、間葉系由来のストローマ細胞ネットワークが組織構造や免疫細胞の活動のための基盤を提供している。しかし、ネットワーク構築やリンパ球動態を支持する分子メカニズムの多くは明らかにされていない。我々は、マウスリンパ節由来ストローマ細胞株を用いて三次元的なネットワーク構造の再現を試みた。現在までのところ、細胞成分のみから二次リンパ器官に類似する組織構造を再現することは困難であるため、ネットワーク形状で細胞の足場となる様々な素材を検討し、市販のスポンジ素材のひとつが繊維径や網目サイズなどの点からこの目的に適していることが判明した。この素材にストローマ細胞株を播種したところ、生体内に見られる状況を良く反映した細胞ネットワーク構造を形成させることに成功した。一方、生体内の実際のストローマ細胞の性質をより詳しく調べるとともに最終的に三次元的な組織構造を再構成する目的で、マウスリンパ節からストローマ細胞を効率よく単離する方法を開発した。さらに、生体内の二次リンパ組織におけるストローマ細胞の役割を直接的に調べるため、ストローマ細胞特異的に誘導性遺伝子改変が可能なモデル動物を作製する必要がある。この目的のためにストローマ細胞を含む間葉系細胞においてエストロゲン受容体のリガンド結合ドメインにCreリコンビナーゼを融合させたCreERT2やGFP遺伝子を発現させたトランスジェニックマウス作製を試み、いくつかの系統を得ている。現在、タモキシフェンによりDNA組換えを誘導後、ストローマ細胞の機能阻害を引き起こすことができるDNA配列も構築中であり、今後これについてもトランスジェニックマウス作製を進める。
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