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2008 Fiscal Year Annual Research Report

嗅覚神経系形成過程におけるケモカインの二元的役割とその分子・細胞メカニズム

Research Project

Project/Area Number 20057032
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

宮坂 信彦  The Institute of Physical and Chemical Research, シナプス分子機構研究チーム, 副チームリーダー (70332335)

Keywords嗅覚 / 嗅上皮 / 嗅球 / ゼブラフィッシュ / ケモカイン / 神経回路 / 細胞移動 / 軸策投射
Research Abstract

脳神経系の成り立ちを理解するには、「細胞移動」と「軸索投射」の2つの発達プロセスの制御メカニズムを解明することが重要である。我々はこれまでに、ケモカイン受容体Cxcr4の機能を欠損したゼブラフィッシュ変異体の解析から、Cxcl 12/Cxcr4シグナルが嗅細胞(匂い受容神経細胞)の「移動(配置)」と「軸索投射」に必須であることを見いだしている。本年度は「ケモカインが軸索伸長経路近傍に存在する反発因子に対する軸索の応答性を減弱させ、投射許容シグナルとして機能する」という仮説の検証を行った。この軸索反発因子の候補として、以前我々が嗅細胞軸索投射における機能を見いだしたSlitが考えられる。 Slitの受容体Robo2の機能を欠損した変異体では、多くの嗅細胞軸索は嗅球へと投射するが、一部の軸索が軌道を逸れて間脳へと侵入する。 Cxcr4変異体の表現型(軸索が嗅球へと伸長できない)がSlitの軸索反発活性の増強を介しているのであれば、Cxcr4/Robo2二重変異体ではRobo2変異体と同様の表現型を示すはずである。そこでCxcr4/Robo2二重変異体を作製したところ、ほとんど全ての嗅細胞軸索が間脳に投射するというRobo2欠損表現型の増強が観察された。このことは、Slitがケモカインシグナルの直接的なターゲットではなく、2つのガイダンスシグナルが嗅球方向への軸索投射に対して協調的に働いていることを示している。
また、嗅上皮から嗅球への一次嗅覚経路だけでなく、嗅球から高次中枢へと至る二次嗅覚経路の形成におけるケモカインシグナルの役割についても解析に着手した。嗅球投射ニューロンである僧帽細胞サブセットで膜移行型YFPを発現するトランスジェニックフィッシュを作製し、Cxcr4変異体と交配を行った。現在、樹状突起の形態および軸索投射パターンについて詳細な解析を行っている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2008

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 神経回路形成におけるケモカインの役割2008

    • Author(s)
      宮坂信彦
    • Journal Title

      BRAIN MEDICAL 20

      Pages: 127-133

  • [Journal Article] 嗅覚神経系の発達過程におけるケモカインシグナルの役割2008

    • Author(s)
      宮坂信彦
    • Journal Title

      生化学 80

      Pages: 1115-1118

  • [Presentation] ゼブラフィッシュ二次嗅覚神経系の可視化と軸策投射パターンの解析2008

    • Author(s)
      宮坂信彦
    • Organizer
      日本味と匂学会 第24回大会
    • Place of Presentation
      富山
    • Year and Date
      20080917-19
  • [Presentation] Visualizing mitral cell axon projection in transgenic zebrafish2008

    • Author(s)
      Nobuhiko Miyasaka
    • Organizer
      International Symposium on Olfaction and Taste XV (ISOT XV)
    • Place of Presentation
      San Francisco
    • Year and Date
      2008-07-23

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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