2008 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMTS13の基質認識・切断に対する細胞外環境の効果
Project/Area Number |
20057036
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 敏行 National Cardiovascular Center Research Institute, 病因部, 部長 (90183970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
武田 壮一 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (80332279)
|
Keywords | 血小板血栓 / ADAMTS13 / プロテアーゼ / 立体構造解析 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / 組み換え体 / 血小板凝集 / 結晶解析 |
Research Abstract |
血小板血栓は内皮下層のコラーゲンや接着蛋白質フォンビルブランド因子(VWF)により活性化される。VWFは超巨大ホモポリマーとして血管内皮細胞から分泌される。この巨大分子は血小板凝集能が極めて高く、通常、血中に存在するメタロプロテアーゼADAMTS13により適度な大きさに低分子化され、血中に循環する。先天性もしくは後天性にADAMTS13活性が欠損すると、超高分子量VWFが血中を循環することとなり、微小血管に血小板血栓が形成され、血栓性血小板減少性紫斑病を呈する。このように、血漿中のADAMTS13はVWFの限定分解を通して血小板血栓の形成を抑制している。ADAMTS13は、1427アミノ酸残基から成り、N末端より、シグナル配列、プロ配列、メタロプロテアーゼドメイン(M)、ディスインテグリンドメイン(D)、トロンボスポンジン1I型リピート(T)、Cys-リッチドメイン(C)、スペーサードメイン(S)、7回のTリピート、2つのCUBドメインから構成される。これまでの私達の研究から、MDTCSはほぼ活性を保持しているものの、MDTは活性が著減し、CSドメインがプロテアーゼ活性の発現に重要であることが判明していた。ADAMTS13の厳密な基質認識機構を明らかにするため、ADAMTS13のDTCS領域を動物培養細胞で発現させ、X線アミノ酸残基287-685立体構造解析を行うこととした。本年度は、CHO Lec細胞を用いてDTCS領域を細胞外へ分泌させる糸を構築し、X線構造解析にむけてDTCS領域の大量発現を試みた。培養上清に分泌したDTCS領域は硫安沈殿で回収し、Niカラムで精製後、TEVプロテアーゼにてC末端のHis-タグを切断し、さらにイオン交換カラムにて精製した。これにより、培養上清20リットルから約6mgのDTCS領域を精製することができた。この精製標品を用いてX線立体構造解析を行う。
|