2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンデンシンによる細胞周期特異的なクロマチン構造の制御
Project/Area Number |
20058003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 圭志 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50332268)
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Keywords | コンデンシン / 細胞周期 / リン酸化 / クロマチン / 染色体凝縮 |
Research Abstract |
コンデンシンは、分裂期(M期)染色体凝縮に中心的な役割を持つタンパク質複合体である。高等真核生物ではコンデンシンIとIIの二つのアイソフォームが存在し協調的に染色体構築に機能している。コンデンシンの活性や局在は、可逆的なリン酸化により厳密に制御されている。しかしコンデンシンの制御に関して、キナーゼの解析と比較して、ホスファターゼについてはあまり多くは知られていない。 そこで申請者らは、ツメガエル卵抽出液を用いた染色体再構築系に、M期の主要なホスファターゼであるPP1,PP2Aの阻害剤であるオカダ酸を添加し、ホスファターゼの役割を解析した。オカダ酸の添加により、コンデンシンIIが染色体から脱落し、染色体の構造に異常が生じた。さらに特異的な阻害剤による解析から、PP2AがコンデンシンIIの染色体局在に必要であることがわかった。このコンデンシンIIの染色体局在には、PP2Aのホスファターゼ活性は必要なく、PP2AがコンデンシンIIを染色体に運び結合させるリクルーターとして機能することが明らかになった。さらに、キネトコア領域へのコンデンシンIIのリクルートには、Sgo2がPP2Aの局在を制御することにより関与していることが明らかになった。 さらに、PP2AがリクルーターとしてコンデンシンII以外のタンパク質の染色体結合に関与するかを調べた、いくつかの候補タンパク質を同定した。そのうちで、KIF4aがPP2Aによりホスファターゼ活性非依存的に、Aurora BがPP2Aのホスファターゼ活性依存的に染色体に結合することを見出した。以上の結果から、PP2AがコンデンシンIIを含むいくつかの染色体タンパク質のリクルーターとして機能し、染色体構造を制御することが示された。
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[Journal Article] Estrogen inhibits TGF-{beta}signaling by promoting Smad2/3 degradation2010
Author(s)
Ito I, Hanyu A, Wayama M, Goto N, Katsuno Y, Kawasaki S, Nakajima Y, Kajiro M, Komatsu Y, Fujimura A, Hirota R, Murayama A, Kimura K, Imamura T, Yanagisawa J.
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Journal Title
The Journal of biological chemistry (In press)
Peer Reviewed
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[Journal Article] The chromosomal association of condensin II is regulated by a noncatalytic function of PP2A2009
Author(s)
Takemoto A, Maeshima K, Ikehara T, Yamaguchi K, Murayama A, Imamura S, Imamoto N, Yokoyama S, Hirano T, Watanabe Y, Hanaoka F, Yanagisawa J, Kimura K.
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Journal Title
Nature Structural & Molecular Biology 16
Pages: 1302-1308
Peer Reviewed
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[Journal Article] The ubiquitin ligase CHIP acts as an upstream regulator of oncogenic pathways2009
Author(s)
Kajiro M, Hirota R, Nakajima Y, Kawanowa K, So-ma K, Ito I, Yamaguchi Y, Ohie S, Kobayashi Y, Seino Y, Kawano M, Kawabe YI, Takei H, Hayashi S, Kurosumi M, Murayama A, Kimura K, Yanagisawa J.
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Journal Title
Nature Cell Biol. 11
Pages: 312-319
Peer Reviewed
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