2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20058016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 Kyoto University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10323809)
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Keywords | シグナル伝達 / DNA / 染色体 / PIKK / テロメア |
Research Abstract |
Te12ファミリータンパク質は、真核生物に広く保存されており、様々な生命現象に関わっていることが知られている。しかし、Te12の分子メカニズムについては、これまでほとんど明らかにされてこなかった。これまでに、分裂酵母のTe12についての解析を行ったところ、te12遺伝子破壊株は致死であり、te12発現抑制株はDNA複製阻害に対して強い感受性を示すことがわかった。また、Te12はDNA複製チェックポイントにおけるRad3/Te11(ATR/ATMホモログ)によるMrc1タンパク質のリン酸化に必要であることがわかった。しかし、Te12がなぜ生育に必須なのか、Te12とRad3/Te11との関係がどうなっているのかについては不明であった。最近我々は、分裂酵母のTe12がすべてのPIKKファミリータンパク質群(ATM, ATR, TOR, TRRAP)と相互作用することを発見した。さらに、Te12は新規タンパク質Tti1, Tti2とも安定な複合体を形成していることがわかった。Te12の分子機能について更に詳しく調べるため、条件的に致死となるte12変異株を取得した。一つはDNA複製阻害に対して特異的に強い感受性を示し、もう一つは高温などの様々なストレスに強い感受性を示した。このことから、Te12はやはり多くのPIKKと相互作用することにより、様々な生命現象に関与していることが確認された。これらの変異株におけるTe12とその相互作用因子との相互作用について質量分析によって解析したところ、一部のものについて変化が見られた。現在、それらについて確認実験を行っている。
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