2008 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞特有の細胞増殖調節におけるUTF1遺伝子の役割
Project/Area Number |
20058031
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
奥田 晶彦 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (60201993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 昌良 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10423055)
升井 伸治 国立国際医療センター, その他の部局等, 室長 (20342850)
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Keywords | ES細胞 / 細胞増殖 / 多能性 / 細胞分化 / アポトーシス / UTF1 / Nucleostemin / p53 |
Research Abstract |
ES細胞は、未分化状態において、極めて活発に増殖する。特に、その性質は、ヒトES細胞よりも、マウスES細胞において顕著である。このES細胞の活発な細胞増殖を支えている分子基盤として、ES細胞特異的なRBタンパク質の恒常的なリン酸化とp53タンパク質の機能抑制が知られている。これら2つの因子は、細胞増殖に対して負に作用する因子の不活化による細胞増殖の調節であるが、一方で、c-Mycタンパク質が、ES細胞の細胞増殖に対して、積極的に、極めて大きな貢献をしていることを示唆するデータも報告されている。本研究課題では、これら、細胞増殖調節因子とUTF1タンパク質を中心としたES細胞特異的因子との相互作用を明確にすることで、上記のES細胞特異的に見られる現象の完全な分子基盤を明らかにすることを目的としている。平成20年度の成果としては、まず、ES細胞特異的な転写補助因子UTF1が、UTF1タンパク質が持つロイシンジッパーを介してc-Mycタンパク質と極めて強固に結合することを明らかにした。2つ目の成果としては、各種幹細胞において、多能性状態特異的に発現していることが知られているNucleostemin遺伝子のtet-offシステムを取り入れたホモ欠失ES細胞の樹立により、Nucleosteminタンパク質が、ES細胞特異的に、プロテオソームを活性化し、p53タンパク質を不安定化していることがわかった。事実、Nucleostemin-null ES細胞では、p53タンパク質の量が10倍以上、上昇しており、それに伴い、p21、Gadd45等のp53下流遺伝子の発現の上昇が見られた。
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Research Products
(6 results)