2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20058032
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
馬渕 一誠 Gakushuin University, 理学部, 教授 (40012520)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 蛋白質 / 細胞分裂 / 収縮環 / アクチンフィラメント |
Research Abstract |
分裂酵母の細胞分裂に関してpolo kinase(Plk1)との関連がはっきり報告されているものは、分裂面決定因子と考えられているMid1である。そこで分裂期のMid1のリン酸化部位の決定を試みた。Mid1をトリプシンで分解して質量分析解析を行ったところ1ヵ所のリン酸化候補部位を見いだした。しかしまだタンパク質全長の20%しかカバーしていないのでさらに解析を行っている。Plk1から収縮環形成に至る経路に2つある事を確認した。一つはMid1-myosinIIを通る経路、もう一つはSIN(隔壁形成ネットワーク)を通る経路である。すなわちmid1遺伝子破壊株でも位置は異常だが収縮環はできる。SINをシャットオフしても収縮環はできる。しかし両方をシャットオフすると収縮環は形成されない。 分裂面への濃縮があきらかになったキネーシンKlp8について、細胞の生育には必須でない事を明らかにした。予想モーター領域に変異を導入して発現させた細胞でも結果は同じであった。Klp8の分裂位置への局在を詳細に観察すると、細胞膜と収縮環の問の領域に存在することが分かった。その局在は、最初アクチンフィラメントに依存するが微小管には依存しないことを明らかにした。局在の様子はMid1のそれに酷似していたが、最近アメリカのグループによりMid1、Klp8がBlt1という新規の因子と共局在することが報告され(論文印刷中)たので、このグループからBlt1破壊株を貰い受け、Klp8の局在を観察する。またKlp8の過剰発現は細胞の変形や分裂の阻害をもたらし、微小管の異常が観察された。
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Research Products
(12 results)