2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20058042
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
津田 玲生 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 老化機構研究部, 室長 (30333355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 永美 国立長寿医療センター(研究所), 老化機構研究部, 研究生 (60421898)
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Keywords | 加齢性難聴 / 転写抑制因子 / Rb / ショウジョウバエ / G1期制御 / 感覚器 / トランスジェニックマウス / 感音性難聴 |
Research Abstract |
感覚細胞の生存維持は加齢性難聴等の加齢性感覚器障害の発症と結びついた重要な問題を含んでいる。本研究では加齢性難聴の原因因子であるヒトTBL1およびショウジョウバエホモログEbiの機能を感覚細胞の生存維持という観点から解き明かすことを目的としている。 本年度の成果 (1) EbiによるG1期関連遺伝子発現制御メカニズム解明 ebiの細胞周期制御における機能解析を行なった結果、ebiはG1期制御に関わる遺伝子発現制御に関与していることが明らかになってきた。EbiによるG1期遺伝子の発現制御に関しての詳細な解析から、EbiはRbf(ショウジョウバエRbホモログ)と共役して転写コリプレッサー複合体として機能していることが明らかになった。昆虫培養細胞を使ってebiの機能をdsRNA法により阻害した結果、Rbfの標的遺伝子が顕著に増加する事が確認された。本研究から、RbfとEbiが共役してG1期制御に関わる遺伝子の発現を抑制していることが示された。 (2) マウス加齢性難聴のモデル確立 これまでにマウス内耳でTBL1を有毛細胞特異的に発現するTgマウスを確立している(理化学研究所との共同研究)。本年度はこのTgマウスを使って感音性難聴の表現型について検討を行った(慶応義塾大学医学部、耳鼻咽喉科講座との共同研究)。その結果、96dBの音響曝露後の回復に関してTgマウスでは顕著に低下していることが確かめられ、感音性難聴の表現型が認められた。感音性難聴は加齢性難聴の発症と強い相関があることから、このTgマウスを用いて加齢性難聴のメカニズム解明が期待される。
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