2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20059001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
姫野 俵太 Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (80208785)
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Keywords | tmRNA / trans-translation / ribosome / hydroxy radical probing / SmpB / translation / molecular mimicry |
Research Abstract |
トランス・トランスレーションは、tmRNAと呼ばれる低分子RNAが情報分子mRNAと情報を読みとる分子tRNAの両方の機能を果たすことで異常mRNAから翻訳を引き継ぎ、結果として2本の情報分子から1本のキメラペプチドを合成する変則的翻訳であり、細胞においては「何らかの原因で滞った翻訳を解消し、そこから生じる異常タンパク質を処理する、真正細菌に特異的な細胞秩序維持システム」と理解される。 本研究では、トランス・トランスレーションがmRNA上のどのような過程を経て起こるのか、という点について明らかにしていくことで、多彩な細胞機能との関係を明らかにすることを目的として研究を行った。 1. hydroxyl radical probingにより、リボソームとSmpBの相互作用を解析したところ、SmpBはリボソームのA部位とP部位に1分子づつ、合計2分子結合していることが明らかになった。また、SmpBのC末端tail部分はmRNAの通り道に沿って位置していた。 2. hydroxyl radical probingを用いて、リボソームに入る前のtmRNAとSmpBの相互作用を解析したところ、SmpBはtmRNAのtNAドメインに結合していることが明らかになった。 3. トランス・トランスレーション中間体におけるリボソームとSmpBの相互作用について、hydroxyl radical probingを用いて解析を行った。トランスロケーションが起こる以前にはSmpBはA部位にあり、トランスロケーションと共にP部位に移動することが明らかになった。 以上の結果は、tmRNAがtRNAとmRNAの両方を構造的かつ機能的に擬態(molecular mimicry)していることを示唆する。
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Research Products
(11 results)