2008 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解(ERAD)制御による蛋白分解ストレスの軽減と細胞保護
Project/Area Number |
20059014
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀 修 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (60303947)
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Keywords | 脳神経疾患 / 遺伝子 / ストレス |
Research Abstract |
ERAD分子Herpの発現が、細胞質内プロテアソーム基質でありパーキンソン病関連蛋白質であるsynphihm-1及びα-synucleinの分解に与える影響を検討した。 (1) Herpノックダウン細胞を用いた検討 : Herpをノックダウンした293T細胞では、synphilin-1の分解が促進され、凝集体形成及び毒性が緩和された。同様の結果がα-synucleinに対しても認められた。 (2) Herpノックアウト細胞を用いた検討 : Herpノックアウト細胞においても上記と同様の結果が得られるか否か検討するために、定常的にα-synucleinを発現する野生型及びHerp欠損F9細胞の作製を試みた。Herp欠損F9細胞においては、プロテアソーム阻害剤MG132で細胞を処理したときのみα-synuclein蛋白質が確認できるクローンが複数認めたが、野生型F9細胞においては、MG132の処理にかかわらず、α-synuclein蛋白質が確認できるクローンは得られなかった。このことから、α-synucleinの定常的発現はF9細胞に対して毒性を示すが、Herpノックアウトする事ではα-synucleinが迅速に分解され、毒性が緩和される可能性が示唆された。次に、同様の実験をsynphilin-1についても行った。この場合は、野生型及びHerp欠損F9細胞ともsynphilin-1を定常的に発現するクローンを獲得したが、やはりHerpノックアウト細胞においてsynphilin-1の分解が促進している事が確認された。 更に、上記の結果がHerpの直接的なものかどうか検討するために、免疫沈降法を用いてHerpとsynphilin-1或いはα-synucleinの結合を検討した。その結果、MG132で細胞を処理したときのみHerpは両蛋白質と結合することが明らかになった。つまり、上記結果の少なくとも一部はHerpと両蛋白の直接的な結合による可能性が示唆された。
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