2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド線維形成をもたらす生体分子環境および線維沈着による細胞傷害機構の解明
Project/Area Number |
20059015
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
内木 宏延 University of Fukui, 医学部, 教授 (10227704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 一浩 福井大学, 医学部, 助教 (60324159)
大越 忠和 福井大学, 医学部, 助教 (90362037)
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Keywords | アルツハイマー病 / 透析アミロイドーシス / Aβ蛋白質 / β2-ミクログロブリン / アミロイド線維 |
Research Abstract |
われわれは、アルツハイマー病患者脳に認められるAβアミロイドーシス、及び長期血液透析患者に発症するβ2-ミクログロブリン(β2-m)アミロイドーシスをモデル疾患に選び、アミロイド線維形成過程を説明する重合核依存性重合モデル、及び線維伸長過程を説明する一次反応速度論モデルを構築、様々な生体分子および有機化合物の線維形成過程に及ぼす影響を解析して来た。本研究では上記研究をさらに発展させ、種々の生体分子がアミロイド線維形成を促進・阻害する分子機構を、複雑な生体分子間相互作用の精密な解析を通して疾病発症機構(医学)の観点から明らかにすること、及びアミロイド線維による細胞傷害機構を明らかにすることを目指した。本年度は、リゾフォスファチジン酸(LPA)など一部のリゾリン脂質、各種遊離脂肪酸(NEFAs)等、陰性荷電を有する生体界面活性分子が、生理条件下におけるβ2-mアミロイド線維の試験管内伸長反応を促進すること、その分子機構として、LPAおよびNEFAがβ2-mの天然構造を部分的にアンフォールド(不安定化)させると共に、LPAがアミロイド線維表面に結合し、線維構造を安定化させることにより脱重合を阻害することを明らかにした。来年度は、細胞外分子シャペロンのβ2-mアミロイド線維形成抑制機構解析、及びβ2-mアミロイド線維の細胞毒性評価を重点的に実施する。本研究によりアミロイドーシス発症機構に対する新たなモデルの確立が期待できる。
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Research Products
(18 results)