2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の生産・品質管理の場としての小胞体の網状構造の意義
Project/Area Number |
20059025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 久雄 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (20205561)
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Keywords | 小胞体 / 網状構造 / 試験管内再構成系 |
Research Abstract |
小胞体はタンパク質の産生・品質管理の場であり、細胞の根幹をなす細胞内小器官である。その形態は大変に特徴的で、細胞質全体に拡がる網状構造を示す。それらの構造は下等生物から哺乳類まで幅広く見られることから、その複雑な構造はその機能であるタンパク質の産生・品質管理と密接に結びついていると考えられる。そこで本研究では、チューブ状膜が分岐して形成する特徴的な小胞体の網状構造の形成維持機構を明らかにすることを目的とした。 このため我々が先ず行ったことは、試験管内で小胞体の網状構造を再構成する系を立ち上げた。小胞体の網状構造は大変に脆弱であり、熱対流でも容易に壊れてしまう。そこで、熱対流を防ぐために二枚のカバーグラス間の細隙で反応を行うことにした。二枚のカバーグラス間の距離を決めるために、半導体製造用のスペーサーを流用している。さらに、小胞体構造を支える微小管の代わりとして、カバーグラス表面をコーティングした。さらに小胞体膜や細胞上清の調製方法についても検討を加えた。 その結果、小胞体の形成過程を経時的に観察できるようになり、網状構造の形成ステップが明らかとなった。同時にそれぞれの各ステップを停止する事も可能になり、形成素過程の解析が可能になった。
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