2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造生物学的アプローチによる小胞体関連分解装置の分子認識と作動機構の解明
Project/Area Number |
20059030
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
加藤 晃一 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 恒裕 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (90362269)
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (90234575)
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Keywords | NMR / 結晶構造解析 / ERAD / 糖鎖 / 細胞内レクチン / ユビキチン |
Research Abstract |
小胞体関連分解(ERAD)は、小胞体内で不要となったタンパク質を選別・除去する機構である。このシステムの中核をなすのは、小胞体膜上に集合した多数のタンパク質から構成される精緻な分子装置(ERADマシーナリー)である。本研究では、ERADマシーナリーを構成する要素タンパク質の間の相互作用のネットワークならびに標的分子との動的な相互作用を明らかにすることを通じて、本分子装置の動作メカニズムを解明することを目的とした。 本年度の主な成果は、糖鎖およびポリユビキチン鎖ライブラリーの構築・拡張と、ERADマシーナリーの要素タンパク質である細胞内レクチンの分子認識を明らかにしたことである。 (1)酵母の各種変異体から種々の高マンノース型糖鎖を精製し高マンノース型糖鎖ライブラリーの構築を行った。得られたライブラリーを利用して、レクチン様タンパク質OS-9との相互作用をフロンタルアフィニティークロマトグラフィーにより解析した。その結果、OS-9は3本鎖糖鎖のD3アームと呼ばれる枝を特異的に認識することが明らかとなった。このことと我々のこれまでの研究成果と考え合わせることにより、分子シャペロン、積荷受容体、分解レクチンなどとして機能している一連の細胞内レクチンが、高マンノース型糖鎖の異なる部位を特異的に認識しており、小胞体からゴルジ体にいたる過程で現れる糖鎖のプロセシング中間体を捕捉することを通じて担体タンパク質の運命を決定していることが明らかとなった。 (2)酵素的および化学的反応を駆使して様々な鎖長のポリユビキチン鎖を構築し、ライブラリー化することに成功した。さらに、特定の位置のサブユニットを同位体標識したポリユビキチン鎖にも成功した。これによりX線結晶解析およびNMRを用いてdi-ubiqutin、tri-ubiquitinの構造解析を動的な部分を含めて行うための基盤が整った。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Defining the glycan destruction signal for endoplasmic reticulum-associated degradation2008
Author(s)
Quan, E. M., Kamiya, Y., Kamiya, D., Denic, V., Weibezahn, J., Kato, K., and Weissman, J. S.
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Journal Title
Mol. Cell 32
Pages: 870-877
Peer Reviewed
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