2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物ペルオキシソームタンパク質の品質管理機構に関する研究
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20059035
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 昌二 National Institute for Basic Biology, 高次細胞機構研究部門, 助教 (20321606)
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Keywords | シロイヌナズナ / ペルオキシソーム / apm変異体 / GFP / ユビキチンシステム / タンパク質輸送 / ペルオキシン / PEX4 |
Research Abstract |
ペルオキシソームへのタンパク質輸送変異体として単離されたシロイヌナズナのapm7変異体は、ペルオキシソーム形成因子群(PEROXIN ; PEX)の1つであるPEX4の機能不全変異体である。PEX4タンパク質は、ユビキチンシステムのE2酵素として働くUbiquitin-conjugating(UBC)酵素であると考えられていたが、植物においてその活性は見いだされていない。今年度はまず、PEX4におけるUBC活性の検出とapm7変異ががその活性にどのように影響を与えるか検討した。野生型(PEX4wt)、apm7変異型(PEX4P123L)および活性中心と考えられるシステインの置換型(PEX4C90A)を、ウサギ網状赤血球ライセートを用いてin vitroで転写・翻訳させた。PEX4wtでは、PEX4およびPEX4にユビキチンが結合したPEX4-Ubが検出されたが、PEX4C90AではPEX4は検出できたががPEX-Ubは検出されなかった。一方、PEX4P123LではPEX4wtと同様に、PEX4に加えPEX4-Ubが検出されたことから、apm7変異をもつPEX4はE1酵素よりユビキチンを受け取り、自分に付加する活性は損なわれていないことが明らかとなった。現在、ユビキチンシステムの次のステップであるE3へのユビキチンの受け渡しにおけるapm7変異の影響を検討している。 PEX4の発現時期と発現部位を詳細に検討するためのPEX4プロモーター(PEX4pro)とGUS遺伝子との融合遺伝子、およびPEX4の局在性を検討するためにPEX4pro下にPEX4cDNAとGFPとの融合遺伝子を導入した形質転換シロイヌナズナを作製した。また、別のペルオキシソーム輸送変異体と掛け合わせた二重変異体の作製も終了している。これらの植物体は次年度で詳細な解析を行っていく。
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