2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヘルパーT細胞分画IL-21産生T細胞の自己免疫疾患における役割の解明
Project/Area Number |
20060005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中島 裕史 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (00322024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50447306)
渡辺 紀彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20375653)
加々美 新一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (30375654)
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Keywords | IL-21 / Th17細胞 / IL-6 / master relator / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
自己免疫疾患の原因は依然不明であり、さらなる病態の解明と治療法の開発が急務である。近年、自己免疫疾患の発症にIL-17を産生するCD4陽性T細胞亜分画(Th17細胞)が関与していること、IL-21がTh17細胞の自己増殖因子として機能し、自己免疫疾患の増悪に関与していることが報告された。一方、本研究者は、IL-21産生細胞を単細胞レベルで同定する細胞内染色法を確立し、IL-21の主要な産生細胞は、Th17細胞ではなく、IL-21産生IL-17非産生細胞(仮称 : ThIL-21細胞)であることを明らかにした。本年度の研究では、ThIL-21細胞の分化誘導機構及びその分化を誘導するmaster regulatorの同定を目指した。その結果、1)ThIL-21細胞は、IL-6或はIL-21自体によりその分化が誘導されること、2)IL-6によるThIL-21細胞の分化誘導の一部は、内在性に産生されるIL-21を介していること,3)一方、TGF-βはTh17細胞の分化誘導には必須であるが、ThIL-21細胞の分化に対しては抑制性に機能し、それはSmad3依存的であることを明らかにした。さらにThIL-21細胞のmaster regulatorの同定を目的にDNA microarray解析を行ったところ、ThIL-21細胞に特異的に発現している数個の転写因子を同定した。現在、レトロウイルスを用いた過剰発現実験にてそれ照転写因子の発現がThIL-21細胞の分化を誘導するか否かを検討している。本研究により、ThIL-21細胞の分化誘導機構の詳細が明らかとなれば、その制御により自己免疫疾患の新たな治療法が開発されることが期待される。
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