2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20060013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | 樹状細胞 / NKT細胞 / 免疫寛容 / 応答制御 / NK細胞 / 骨髄移植 |
Research Abstract |
樹状細胞はNKT細胞へのα-GalCerの提示において強力な抗原提示細胞であるにもかかわらず、高容量のα-GalCer投与によりNKT細胞の増殖とIFN-γ, IL-4産生の後にanergyが誘導されることが知られる。しかし、T細胞の場合には、MHCクラスIIに結合した抗原提示が行われても、補助刺激分子の欠如などにより、サイトカイン産生を行うことなく不活化されることが知られる。そこで、NKT細胞のanergyの誘導に、DCがどのように関与するのかに焦点を当て実験を行い、以下の結果を得た。 α-GalCerをパスルしたDCあるいはB細胞を投与後、サイトカイン産生を検討したところ、これまで報告されているように、DC投与群で、高いサイトカイン産生が認められたが、それらのマウス脾臓よりiNKT細胞を精製して、in vitroにおいて脾臓DCとα-GalCerで再刺激したところ、DC投与群でiNKT細胞の応答能の低下が認められた。さらに、DCと同程度のiNKT細胞の応答性低下を誘導するには、10倍以上の細胞数を必要とすることが示された。このように、NKT細胞はTCR刺激と補助刺激を受けた場合でも応答性の低下が起こることから、in vitroの実験系で固層化した抗CD3ε抗体と抗CD28抗体でNK T細胞を刺激し、再刺激に対する応答性を無刺激の対照群と比較してみたが、CD4 T細胞ではアナジーにはならなかったが、iNKT細胞ではin vitro刺激でもアナジーが誘導されることが確認された。また、T細胞ではイオノマイシン処理により引き起こされるCa2+の流入はTCR刺激を模写しanergyを誘導した。しかし、NKT細胞においてはイオノマイシン単独ではアナジーは誘導されず、イオノマイシンPMAが共存すると、再刺激に対して応答が大きく減弱した。 これらの結果から、iNKT細胞のアナジー誘導には、T細胞の場合とは異なり、DCを介するする抗原提示によって活性化された後に、誘導されるものであることが明らかとなった。
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