2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫系の炎症誘発に関わるTh17細胞の分化・機能におけるPI3Kの役割
Project/Area Number |
20060021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 重徳 Keio University, 医学部, 助教 (50348801)
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Keywords | PI3K / Th17 / 腸管免疫 |
Research Abstract |
腸管免疫系において炎症反応を司ると考えられる新たなCD4^+TサブセットであるTh17細胞の存在が明らかになったが、その分化や機能に関しては不明な点が多い。我々はまず、in vitroにおけるTh17細胞の分化におけるPI3Kの役割について検討した。 PI3Kの制御サブユニットであるp85αを欠損する(KO)マウスあるいはコントロール(HT)マウスからナイーブCD4^+T細胞を単離し、これにIL-6、TGFβ、IL-21、IL-23を加えて3、4日培養してTh17細胞に分化させ、回収して再刺激の後に産生されるTh17細胞の割合をフローサイトメーターにより、また産生されるIL-17Aのタンパク量をELSAにて測定した。するとKO由来細胞ではコントロールに比べてTh17細胞の割合及びIL-17A産生量が有意に減少していた。また、HT由来細胞をTh17細胞に分化させる際に、PI3K特異的阻害剤を加えた場合にも、同様の結果が得られた。すなわち、PI3KがTh17細胞の分化を正に制御している可能性が示された。Th17細胞の分化にはSTAT3の活性化が重要であるため、次にSTAT3のリン酸化についてPI3Kの関与を検討した。しかし、KO由来細胞あるいはPI3K阻害剤を使用した場合であってもHT由来細胞と同程度のリン酸化が見られ、STAT3のリン酸化に関与しないことが示唆された。更に分化に必要とされるRORγtの遺伝子発現をRT-PCRで確認したが発現量に差がなく、PI3Kが関与しないと考えられた。以上より、PI3KはSTAT3-RoRγt経路を直接的に抑制しないことが示された。すなわし、PI3Kはこの経路へ間接的に関与することが示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Helicobacter pylori CagA Phosphorylation- Independent Function in Epithelial Proliferation and Inflammation2009
Author(s)
Suzuki M, Mimuro H, Kiga K, Fukumatsu M, Ishijima N, Morikawa H, Nagai S, Koyasu S, Gilman RH, Kersulyte D, Berg DE, Sasakawa C.
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Journal Title
Cell Host Microbe 5
Pages: 23- 34
Peer Reviewed
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[Journal Article] The role of DC-STAMP in maintenance of immune tolerance through regulation of dendrtic cell function2008
Author(s)
Sawatani Y, Miyamoto T, Nagai S, Maruya M, Imai J, Fujita N, Miyamoto K, Ninomiya K, Suzuki T, Iwasaki R, Toyama Y, Koyasu S, Suda T.
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Journal Title
Int Immunol 20
Pages: 1259- 1268
Peer Reviewed
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