2008 Fiscal Year Annual Research Report
Foxn1陽性胸腺上皮前駆細胞による胸腺の自己形成
Project/Area Number |
20060026
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
雨貝 孝 Meiji College of Oriental Medicine, 医学教育研究センター, 教授 (80094407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 マナミ 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 准教授 (00257833)
塚本 紀之 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (80319524)
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Keywords | 免疫学 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 再生医学 / Foxn1 |
Research Abstract |
胸腺上皮細胞前駆細胞は胎生期胸腺原基に存在して胸腺上皮細胞の形成・維持に関わっていると考えられている。しかし、成獣におけるそれらの細胞についての検討はされていない。我々は、生後マウスの胸腺上皮前駆細胞には胸腺上皮細胞の分化にかかわる転写因子Foxn1が発現しその機能を維持している可能性を検討している。C57BL/6バックグランドのFoxn1 : EGFPマウスを用いて出生後のマウス胸腺でのEGFP陽性のFoxnl発現細胞について検討したところFoxn1発現細胞はkeratin(K)5+K8-, K5-K8+とK5+K8+の3つの胸腺上皮細胞集団のすべてに認められ、Foxn1発現細胞の多様性が明らかとなった。FACS解析ではFoxn1発現細胞の多くはIa陽性でありUEA-1陽性CD80陽性の細胞にも認められ、さらにLy51陽性にも少数認められた。また、qPCRによる検討では、Foxn1発現細胞には未分化な胸腺上皮細胞に特徴的な遺伝子の発現が認められた。Ki67陽性の増殖している胸腺上皮細胞は、組織学的検討では主に髄質領域に認められ、FACS解析ではIa陽性、UEA1陽性の細胞に主に認められた。これらの結果は、出生後の胸腺に胸腺上皮前駆細胞が存在するという仮説を支持する。そこで、Foxn1 : EGFPマウス胸腺を酵素処理によって単離細胞としFACSで分離後BALB/cマウスの間葉系細胞集団とともに培養後、KSNヌードマウスの腎被膜下に移植し3-4週後にFoxn1 : EGFP由来のK-b陽性細胞の存在と分布を検討する系により検討したところ、胎生14日のFoxn1 : EGFPマウス由来のFoxn1発現細胞は、K5, K8陽性の細胞に分化能を持っていることがわかった。現在、生後のマウスを用いてのFoxn1発現細胞の分化能について検討を行ない胸腺再生の糸口をさぐっている。
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Research Products
(9 results)