2008 Fiscal Year Annual Research Report
核酸系免疫アジュバントによる樹状細胞活性化機構とその自己免疫における意義
Project/Area Number |
20060033
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット |
Research Abstract |
樹状細胞は核酸系免疫アジュバントに応答して、I型インターフェロン(IFN)を産生する。核酸センサーの中でも、TLR7, TLR9は病原体ばかりでなく、宿主由来の核酸にも応答する特性を持つ。実際、TLR7, TLR9を介したI型IFN産生誘導がSLEなどの自己免疫疾患の病態に重要であることが報告されている。すなわち、TLR7/9を介したシグナル伝達機構の解明により、自己免疫疾患の新たな治療薬開発につながる成果が期待される。 樹状細胞による核酸刺激に対する応答は樹状細胞サブセットに依存する。形質細胞様樹状細胞(PDC)と呼ばれる樹状細胞サブセットは、TLRの中では、TLR7, TLR9を選択的に発現しており、その刺激によりI型IFN、特にIFN-αを産生する特徴を持つ。我々は、セリンスレオニンキナーゼIκBキナーゼα(IKKα)が、PDCにおいて、TLR7/9刺激によるI型IFN産生誘導に必須であること、そして、PDC優位に発現している転写因子IRF-7が、IKKαと会合し、IKKαによりリン酸化され、活性化されることが必須であることを見出した。PDC以外の樹状細胞(cDC)は、TLR7/9刺激に応答してIFN-αは産生しないが、IFN-βは産生する。このcDCにおけるIFN-β産生にもIKKαが重要であることを見出した。IKKαは樹状細胞サブセットに関わらず、TLR7, TLR9刺激によるI型IFN産生に重要であるとはえられ、その作用機作を解析中である。
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Research Products
(24 results)