2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20061029
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
出村 拓 The Institute of Physical and Chemical Research, 形態制御研究チーム, チームリーダー (40272009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅利 独立行政法人理化学研究所, 形態制御研究チーム, 研究員 (20373376)
西窪 伸之 独立行政法人理化学研究所, 形態制御研究チーム, 研究員 (30392062)
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Keywords | 植物 / 維管束 / メリステム / NACドメインタンパク質 / 転写因子 / マスター因子 / 道管分化 |
Research Abstract |
私たちはこれまでに単一のサブファミリーに属する一群のNAC転写因子(VNDl〜VND7がいずれも維管束細胞に発現し、特にVND6とVND7が道管分化を制御するマスター因子として機能することを明らかにした。本研究では、維管束メリステムからの細胞運命の決定機構を明らかする目的で、VNDファミリーの発現と機能の制御機構を詳細な解析を行っている。まず、VND7の機能解析として、転写活性化ドメインを欠失させたドミナントネガティブ体全体のあらゆる道管の分化を制御しうることが明らかとなった。そこで、VNDファミリー内の冗長性を確かめるために、多重変異体の作出を進めた。その結果、VND4/VND7二重T-DNA挿入変異体で根において顕著な道管分化の抑制が起こることが明らかとなった。また、VND7の機能を制御する新規因子を同定するために、酵母Two-hybridスクリーニングによる相互作用因子の探索を行い、新規のNAC転写因子VNI2を単離した。詳細な解析の結果、VNI2はVND7と結合し、VND7の転写活性を抑制することで、道管分化を負に制御することが明らかとなった。さらに、DEXに処理により植物型のVND7を用いた解析を行った。その結果、VND7が他のVNDファミリーと協調的に植物体全体で道管分化誘導が可能なVND7-VP16-GR発現シロイヌナズナを用いたサプレッサーのスクリーニングを行い、多数の変異体を得た。現在、導入遺伝子のインターナル変異やGRシステムヘの変異の有無について調査するとともに原因遺伝子の特定を進めている。一方、トランジェントアッセイ系により、上流でVND7の発現を制御する転写因子についても探索を行っており、現在までにVND4、VND5がVND7の発現を正に制御することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)