2008 Fiscal Year Annual Research Report
コネクトーム計画X:X線顕微鏡による神経回路配線図の解読
Project/Area Number |
20200001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 治央 The University of Tokyo, 総括プロジェクト機構, 特任助教 (40444103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 貴樹 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任助教 (20418651)
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Keywords | X線顕微鏡 / シナプス / 神経ネットワーク |
Research Abstract |
放射光X線を光源とした高分解能X線顕微鏡を用いて、マウス大脳皮質カラム内のニューロン及びシナプス構造の可視化を行った。まず、SPring-8のBL20XUビームラインにおいて、硬X線吸収投影像を用いたマイクロCT法により、直径1mmの円柱サイズに含まれる大脳皮質ニューロンをゴルジ染色法を用いて観察した。このときの空間分解能は1μm程度であったが、重金属で染色したニューロンの3次元像を取得することが可能であった。続いて、空間分解能を向上させるために、結像型の硬X線位相差顕微鏡を構築し、同様にCT法を組み合わせて、ニューロンの3次元再構築を行った。本光学系においては、空間分解能を200nm程度にまで上昇させることができ、上記の染色法を用いることで、ニューロンの3次元再構築を光学顕微鏡レベルと同等な分解能で行うことが可能であった。しかし、さらに空間解像力が必要なシナプス部位の可視化までは到らなかった。その後、立命館SRセンター内に設置されている軟X線顕微鏡を用いて、大脳皮質の超薄切片(厚さ:200nm)を用いた観察を行ったところ、細胞内小器官であるミトコンドリアとシナプス後肥厚部を同定することが可能であった。軟X線顕微鏡にCT装置を組み合わせることで、分解能50nm以上での3次元観察が可能となり、神経線維とシナプスの両方を3次元空間内に再構築することができると期待される。今後、10nm程度の等方ボクセル画像化を達成することで、神経回路の配線とシナプス結合を追跡することが可能となり、神経ネットワークに基づく脳高次機能の作動原理を解明する糸口になると考えられる。
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Research Products
(4 results)