2010 Fiscal Year Annual Research Report
不確実な情報のもとで論理推論を行い機能性分子を産生する反応システムの構築
Project/Area Number |
20200005
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小宮 健 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (20396790)
|
Keywords | 転写 / 自律反応システム / miRNA / 反応カスケード / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
溶液中に存在する分子の分布をセンシングし、プログラムにしたがって分子が情報を処理し、出力として機能性分子を合成する、自律的な反応システムの実現に向けて、要素機能を実現する反応モジュールを構築した。microRNA(miRNA)もしくはモデルとしてのオリゴDNAをセンシングする「検査反応モジュール」について、高感度な検出および多種の検出ができることを実証した。また、DNA配列に符号化した診断プログラムにしたがい、カスケード化されたDNA合成により転写パターン情報を処理する「診断反応モジュール」を構築し、カスケード反応が特異性高く進行することを確認した。本研究で構築する一連のプロセスを実行する知的な反応システムは、複数の分子が多段階に反応するシステムであるため、多様な反応パラメータを実験のみで効果的に調整することは困難であった。そこで反応モデルを構築して、ハイスループットなリアルタイムPCR装置を用いた蛍光測定とシミュレーションを併用しながら、最適な反応条件の検討を行った。さらに、ガン細胞に特徴的なmiRNA転写パターンと推論した場合、ガン抑制に有効なRNA配列を出力する「投薬反応モジュール」のモデル反応として、カスケード化されたDNA合成に続いて同一反応溶液中で起こるRNA合成反応を実現した。本反応システムを細胞に対して動作させることを目指し、カスケード反応を小さな分子で制御できるように拡張する機構についても検討した。
|