2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20200009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅生 紀之 Osaka University, 生命機能研究科, 助教 (20372625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 由之 大阪大学, 生命機能研究科, 特任助教 (20444515)
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Keywords | 分子・細胞神経科学 / 1分子生理・生化学 / 大脳皮質 / クロマチン / DNA修復 |
Research Abstract |
大脳皮質は多様な特性を持つ神経細胞からなるシステムであることが明らかになってきたが、その構成要素となる神経細胞の分化過程での多様な遺伝子発現を制御する分子メカニズムに関しては不明な点が多い。本研究では、申請者らのノックアウトマウスの解析から神経細胞分化に特異的で新たな遺伝子発現制御因子として予測されるDNA修復酵素の役割と意義を明らかにする。さらに、分化過程の核内で遺伝子座や転写因子、DNA修復酵素など様々な核内因子の相互作用を空間配置とその動態として解析に挑むことで既存の概念を越えた新たな神経細胞分化の原理を明らかにすることを目的とする。 (1)大脳皮質神経細胞分化の遺伝子発現制御における修復酵素の機能解析 遺伝子発現に伴うプロモーター領域のメチル化CpGの脱メチル化のメカニズムに関しては多くの点が不明であるが、DNAメチル化酵素とDNA修復酵素の相互作用によるヌクレオチド除去と再合成による活性化が示唆されている。このメカニズムの神経細胞分化における役割を明らかにするために、初めに分化過程の遺伝子発現制御においてこの作用を受ける遺伝子群の探索を行った。その結果、神経細胞の軸索誘導に関与する遺伝子など複数を候補遺伝子として明らかにすることができた。 (2)大脳皮質神経細胞分化における染色体の動態解析 染色体の核内配置が神経細胞分化に果たす役割を明らかにするため、異なる分化状態にある神経細胞の染色体セントロメア領域の動態を特異的プローブを用いたFISH法により調べた。その結果、分化の進行に伴って染色体の再配置が起こることが示唆された。また、これには電気活動が関与することが示唆された。
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