2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞-未分化間葉系細胞-へのex vivo遺伝子操作と細胞治療
Project/Area Number |
20200013
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 寧 Kumamoto University, 医学部・附属病院, 講師 (60346997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 誠 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20117336)
木村 円 熊本大学, 医学部・附属病院, 助教 (60433025)
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Keywords | 移植・再生医療 / 遺伝子 / ウイルスベクター / 骨髄間質細胞 / 筋ジストロフィー |
Research Abstract |
本研究の目的は、根本治療法の無い致死的疾患であるDuchnne型筋ジストロフィーに対する根本治療法を開発することにある。その為に患者自身より採取した間葉系幹細胞を多数含む骨髄間質細胞をin vitroで増殖・骨格筋へ分化誘導をかけ、ヘルパーウイルス依存型アデノウイルスベクターHDAdvにて治療に有効と予想される遺伝子を多数導入し、静脈投与で自家移植し骨格筋機能を回復させるex vivo治療を目標に据えている。この治療方法を現実化する方法を本研究では動物実験にて探索する。1、平成20年度にて我々はマウス骨髄間質細胞より間葉系未分化幹細胞を分離できた。この細胞の表面マーカーをセル・ソーターで解析し、これまでに報告されたものとの同一性が確認された。またこれらの細胞にHDAdvを用いて遺伝子導入を行ったが、極めて効率良い感染と、非細胞毒性が確認され、今後の研究に安定した細胞採取と遺伝子操作が可能となった。2、これらの細胞を骨格筋への分化誘導に重要なMyoDを持つHDAdvも作製した。このベクターにはMyoDと同時にGFP、もしくはLacZ遺伝子が挿入され、これらのマーカー発現を見ることで、遺伝子操作された細胞が容易に同定出来るようになった。このベクターの開発は今後の研究を進めるにあたり、in vitroのみならず、移植後細胞の挙動を簡便かつ感度良くin vivoにて追跡可能とさせる重要な技術となった。3、本研究費にて購入した小動物麻酔装置を用いることで、安全かつ愛護的にマウス大腿骨より骨髄細胞を採取できるようになった。施術後もマウスは生存し、採取された骨髄間質細胞がin vitro培養された後のレシピエントになり、小動物を用いた自己移植実験が可能となり、免疫抑制剤未使用状況下での移植細胞の挙動を知ることが可能となった。
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