2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活環境における吸入気体組成の調節に基づく健康維持と疾患制御の試み
Project/Area Number |
20200021
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
市原 正智 Chubu University, 生命健康科学部, 教授 (00314013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 環 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (90392018)
村雲 芳樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40324438)
増田 章男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10343203)
米田 誠 福井大学, 医学部, 准教授 (70270551)
|
Keywords | 分子状水素 / 活性酸素 / 酸化ストレス / ヒドロキシラジカル / パーキンソン病 |
Research Abstract |
吸入空気に水素を添加することで、疾患病態のコントロールが可能かどうかを検証することを本研究の最終的な目的としているが、同時に生体内への水素投与法として水素を水に溶存させ水素溶存水として投与する方法の有効性も同時に検証している。まず研究計画に従いマウス疾患モデル動物を水素添加空気環境下で飼育可能な密閉チャンバーをさらに造設し、統計的解析に十分なマウス飼育環境を整備した。2%水素添加空気環境と非添加の空気環境間で現在klotho早老マウスを飼育して、生存期間、病理像の変化を観察中である。また水素投与下の生体内における水素動態の検討を行うために、Unisense社よりneedleタイプのmicrosensorを購入した。既設のガスクロマトグラフィーを用いて血液中の水素の測定系を確立し、ラットの頸動脈における水素投与下の水素濃度の変動について検討した。水素溶存水を投与することで投与後10分程度の短時間でのパルス状の水素濃度の上昇を確認した。さらにUnisense社を用いて脳組織中の水素濃度の推移もリアルタイムで検討を加える予定である。さらにラットに6-hydroxydopamine(6-OHDA)を投与してパーキンソン病モデル動物を作成した。このモデル動物に水素溶存水を投与して、6-OHDAによる黒質・線状体の神経毒性に対する水素の効果を検討した。コントロールとして脱水素水を投与した場合は、健側と比較して40%程度にドーパミン作動性ニューロンは減少した。一方水素水の前投与を行った場合は、ドーパミン作動性ニューロンは80%程度の減少に留まった。実際のパーキンソン病でも同様の病態が生じていると推定されているので、水素水にパーキンソン病の予防効果が期待される結果であった。本研究成果はNeuroscience Lettters誌に投稿し受理された。脂肪肝およびその線維化モデルマウス、糖尿病モデルマウスにおける水素の生理活性の検討も現在同時に行っている。
|