2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20200036
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
南 博道 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 助教 (90433200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 高嶺 石川県立大学, 准教授 (70346104)
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Keywords | 2次代謝産物 / イソキノリンアルカロイド / レチクリン / マグノフロリン |
Research Abstract |
これまでに微生物のモノアミン酸化酵素(MAO)と植物のイソキノリンアルカロイド生合成酵素を組み合わせ、ドーパミンを基質にして、抗細菌剤、抗マラリア剤、抗がん剤の重要な前駆物質であるレチクリン、さらには、抗HIV作用およびアテローム動脈硬化症の進行抑制効果が期待されるマグノフロリンを微生物発現系にて生産している。 1)今年度は、既に酵母において構築していたP450酵素(CYP80G2)の発現システムを大腸菌でも構築した。これにより、大腸菌での効率的なマグノフロリン生産が可能となった。また、既に構築しているレチクリン生産システムにおいても、生産性の改善を目的に、培養条件等を検討した。これまでの研究で、ドーパミンの利用効率の低さが生産性の律速であることが明らかになっている。そこで、初発のMAOとノルコクラウリン合成酵素(Ncs)の反応における最適な酵素比率を決定した。精製酵素を用いた解析により、MAOとNCSが重量比で1 : 8の時に最も効率良く反応することが明らかとなった。 2)医薬的に重要なアルカロイド系麻薬、テバインの生産を目的に、その生合成遺伝子(salutaridine synthase、salutaridine reductase、salutaidinol 7-Ο-acelyltransferase)の単離をケシcDNAから行い、さらに各遺伝子の大腸菌での発現株を構築した。モルヒネとコデインの中間の鎮痛作用を持ち、副作用が少なく、鎮痛、鎮静、鎮咳薬として用いられているオキシコドンは、テバインから化学的に誘導される。そのため、テバイン合成はモルヒネ、コデイン合成のための中間産物というだけでなく、化学合成による医薬品生産の重要な出発物質となる。現在、これらの発現株を用いて、大腸菌によるテバイン生産を検討している。
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