2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20200036
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
南 博道 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助教 (90433200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 高嶺 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70346104)
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Keywords | 2次代謝産物 / イソキノリンアルカロイド / レチクリン / テバイン / salutaridine synthase |
Research Abstract |
植物は様々な二次代謝産物を産生し、それらは香辛料や染料、医薬品等として利用されている。イソキノリンアルカロイドは、多くの薬理学的に有用な化合物を含む二次代謝産物であり、レチクリンを共通の中間体として生合成される。これまでに、レチクリンの大腸菌における生合成系の構築およびその生産に成功している。さらに、イソキノリンアルカロイドの中でも医薬品として重要なケシアルカロイド(モルヒネ、コディン、テバイン)の微生物における生産を目的に、テバインまでの生合成経路の構築にも成功している。 1、本年度は、テバイン生産大腸菌における生産物の解析を引き続き行った。その結果、サルタリジンが僅かに蓄積していたが、テバインは生産されなかった。レチクリンからテバインまでの生合成遺伝子、SalS、SalRed、SalATのうち、P450酵素であるSalSの活性の低さが原因であると考えられた。そこで、よりP450の発現に適した酵母(Pichia pastoris)の発現システムを用いたテバイン生合成経路の構築を試みた。その結果、導入したSalSの活性が確認できたため、SalRed、SalATをさらに導入し、テバイン生産に向けた条件検討を行っているところである。 2、レチクリン生合成経路における律速段階を明らかにするため、メタボローム解析を行った。その結果、tyrosinaseによるL-tyrosineからL-DOPAへの変換が律速であることが明らかとなった。そこで、L-DOPA生産に適したtyrosinaseのスクリーニングを行い、Ralstonia solanacearum由来tyrosinaseを用いることで、レチクリン生産量を6mg/Lから46mg/Lへと増加させることが出来た。これらの結果より、アルカロイド生合成系の微生物における人工的再構築の有効性が示された。
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Research Products
(6 results)