2010 Fiscal Year Annual Research Report
特異的制御剤の開発によるオートファジー性細胞死の分子機序解明と白血病新治療法
Project/Area Number |
20200038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國安 明彦 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (90241348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 誠 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (90292094)
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Keywords | 分子認識 / 生体機能利用 / 生体分子 / 薬学 |
Research Abstract |
我々の開発したペプチドTat-Ram13とそのペプチドミメティックの白血病治療へ適用を目的とし、動物実験による抗腫瘍効果の検証と細胞死誘導機序について生化学的解析を行い、以下の結果を得た。 1.動物実験による新規ペプチドミメティックの抗腫瘍活性評価 CDF1マウス腹腔内にマウス白血病細胞株L1210を接種し、腫瘍モデルを作製した。接種2日後からTat-Raml3およびペプチドミメティック化合物(Dアミノ酸含有)を0.2mg/匹を2日毎に2週間にわたり腹腔内投与し、腹水量の変化と生存日数を調べた。その結果、化合物処理群と未処置群で両値は変わらず、期待した抗腫瘍効果は見られなかった。この理由として、腹腔内投与での希釈による作用減弱が考えられ、評価に適した白血病動物モデルの構築が必要と考えられた。 2.オートファジー性細胞死誘導の分子機序解析 TatRam13で誘導される細胞死がオートファジー過剰亢進によるものか否か確かめるため、関連分子ATG5を発現低下させたJurkat細胞を用いて細胞死誘導を検討した。その結果、shRNA発現ベクター導入による発現低下の有無で細胞死感受性が変化しなかったことより、オートファジーは細胞死の直接要因ではなく二次的結果であると考えられた。そこで、誘導される細胞死について細胞死前後の蛍光顕微鏡観察とウェスタンブロットによる分子発現解析を行ったところ、Tat-Ram13添加後に細胞膜の物質透過性が亢進すること、核内タンパク質の消失といった特異な現象が観察された。これらは、ネクローシスおよび最近報告されたネクロトーシスとは明らかに異なっていた。 動物実験での効果検証はできなかったが、Tat-Ram13で誘導される細胞死は、既報の何れにも属さない新規な現象である可能性が高く、白血病治療でのアポトーシス耐性克服につながると期待される。
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[Journal Article] Targeting neuropilin-1 in human leukemia and lymphoma.2011
Author(s)
Karjalainen K., Jaalouk DE., Bueso-Ramos CE., Zurita AJ., Kuniyasu A., Lichtiger B., O'Brien S., Kantarjian HM., Cortes JE., Koivunen E., Arap W., Pasqualini R.
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Journal Title
Blood
Volume: 117
Pages: 920-927
Peer Reviewed
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[Journal Article] Interconversion between pure chemotactic ligands and chemoattractant/secretagogue ligands of neutrophil C5a receptor by a single amino acid substitution.2010
Author(s)
Jia, N., Semba, U., Nishiura, H., Kuniyasu, A., Nsiama, T.K., Nishino, N., Yamamoto, T.
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Journal Title
J.Leukoc.Biol.
Volume: 87
Pages: 965-975
Peer Reviewed
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